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秋の憂鬱 [徒然]

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2011年11月 野幌森林公園

 


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11月の紅葉きれいな時にいつもの森林を散策してあれこれと考えを巡らす。

僕達は随分と以前から放射能の危険性を身近に知っていた。
放射能の危険性を題材とした物語や漫画や映画はたくさんあったのだ。
たとえばテレビで「宇宙戦艦ヤマト」を見たことがあるならばそれがどんな物語であるかを思い出してみると良い。
ガミラスからの攻撃を受け放射能汚染によって絶滅まであと一年の危機を迎えた2199年に地球を救うために遥か彼方のイスカンダルに放射能除去装置コスモクリーナーを求めて飛び立ったのが宇宙戦艦ヤマト。
人類の能力では放射能を除去することはできず、数々の試練を超えてイスカンダルへ除去装置を求めて・・。
そういう物語ではなかったか。
物語ではそんな先の未来でも「放射能は除去できない」という前提となっている。
そして残念ながら、除染はできてもそれは飛び散ったものを集めるという行為に過ぎず放射能そのものを除去することはできない。
それがこの時代においても事実なのだ。

こんな1970年代のSFアニメの内容を思い出さずにいられないことが目の前で起こってしまった。
しかしながら僕達は放射能除去装置を取りに行くのに必要な「波動エンジン」の設計図もスターシャのメッセージも持っていない。もちろん宇宙戦艦ヤマトなどあろうはずもない。
まだ事態は進展中で残り1年では無いにしてもイスカンダルへの道筋は物語より遥かに遠く困難であるのだ。
これからどのくらい多くの試練を受け入れていかなくてはいけないのだろうか。
どれだけの犠牲を覚悟しなくてはならないのだろうか。

大袈裟なことをぼくは考えているのだろうか。
妄想のような考えだというのだろうか。
どんなに人に笑われようとも現代では「放射能は除去できない」という事実は消せないのではないか。
今だに1970年代のSF物語の予言を克服していないのだ。
そして今も放射能は例えば汚染水という形で海に撒かれている。
事態はより悪くなっていってるのではないかという感じさえする。

僕達のより大きな罪はこうした事態を僕達の世代で解決できないであろうという事だ。
子供達、さらには子供達の子供達へ大きな苦しみと悲しみを残してしまうだろうということだ。
そして、さらにはおそらく被災地の素朴でやさしい多くの人達の故郷を奪ってしまったということだ。

楽観的な人達へ
人の体は放射能など浴びないにこしたことはない。それは当たり前の事実だと思う。
そして今、広がっている放射能の汚染はけして自然の中にはなかったものだという。
だから、ほおっておくとやがて自然が吸収してゆくなどということはないのだろう。
そしてその影響は直ちにではなく、静かに何年、何十年かけて、さらには世代を越えて現れると思う。
さらには汚染されたのはこの国だけのことではない。
もしこのまま事態を悪化させると世界を危機にさらす危険性もあるのだ。
そんなことは改めて語る必要もないはずなのです。
だって、みんないろいろな物語ですでに知らされていたではないですか?
そのことが目の前で起こっているのではありませんか?

今年の北海道の紅葉は一段と美しかった。
そして秋はいつもに増して短く走り過ぎてゆく。
この秋のぼくの憂鬱は重い。


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コメント 4

かに吉

自己利権を守るがために臭いものに蓋をしているような、そんな感じを受けるこの頃です
飛散した放射性物質、海に垂れ流しな汚染水、絶対に安全な訳がないですよ
こんな無秩序な事態になるなんて予想だにしていませんでした
この先、子供たちの将来がとても気になります・・・
by かに吉 (2011-12-14 09:24) 

haru

かに吉さん

今起きていることは結局は我々の世代の無関心が引き起こしたことではないかと思うとつらいです。

by haru (2011-12-15 23:03) 

mwainfo

「愛の反対は憎しみではなく、無関心」、マザーテレサ言います。
by mwainfo (2011-12-16 17:06) 

haru

mwainfoさん

無関心であった罪は償いきれないかも知れませんね。
それでもできることは積み上げていきたい。

by haru (2011-12-16 19:03) 

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