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武満徹ソングブック  ショーロクラブ [徒然]

ぼくは今まで武満徹という人をあまり意識したことがなかった。
何やら前衛的な音楽をつくる人で映画音楽もつくっている程度にしか・・ 。
ショーロクラブが演奏し、いろいろな歌い手が歌うアルバムということでこの作品を聞いたというのが本音。
しかし初めて聞いてみて聞いたことのあるメロディーがたくさん出てきて驚いた。
そしてそれぞれの作品のもつメロディーの美しさや儚さに惹かれていった。
手の中に包み取りたくても力を入れすぎると壊れてしまいそうだ。
それでいて強さもある。

個性豊かな歌い手はそれぞれの個性豊かに一曲一曲を歌いあげている。
アン・サリー、おおたか清流、沢知恵、松田美緒などもったいないような起用の仕方だ。
でも全体として一枚のアルバムとしての統一感が強く感じられるのはショーロクラブの「音」が頑固に自分達のスタンスを持っているからだと思う。
武満の繊細なメロディーに隠れたリズムや音の流れを3つの弦楽器がうまく捉え表現している。
これだけの歌い手に負けない個性があることが素晴らしいと思う。
それは歌手無しで演奏される二曲を聞くとわかる。
この二曲は歌つきのものも用意されているのだけれど、歌を聞けばなおさら演奏だけの曲が浮き出てくるという演出が施されているようだ。

どの曲も素晴らしいが特に印象深いのが「三月のうた」であった。
「おおはた清流」という歌い手は時々コマーシャルなどで声を聞いていたのだけれど・・。
哀愁溢れる弦楽器の演奏と重なり聞くものになんとも言えない感情をもたらす。
この儚さや美しさや繊細さは素晴らしいと思う。
また、大好きなアン・サリーが意外にも「死んだ男の残したものは」を歌っている。
今までのアン・サリーとは少し異なる雰囲気がする。
昔、この曲を聞いたのは高石友也や森山良子の歌でフォークソングが流行っていた頃であったが、ショーロクラブがこの歌に独特のリズムを乗せ(もしかするとこれがオリジナルか?)アン・サリーの歌が重なると場面設定が異なる歌のように感じられる。

ちょっとだけ贅沢を言わせてもらえば畠山美由紀も是非参加してほしかったなぁ・・。
でも、彼女はオリジナルアルバムの作成に忙しかったか・・。

混乱極める時代の中でやるせなく切ないことが多い。
必然、音楽も心の襞をやさしくさわってくれるようなものを求めているのかも知れない。



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mwainfo

明けましておめでとうございます。実り多き年、ご健闘を期待いたします。
本年もよろしくお願いいたします。
by mwainfo (2012-01-04 09:55) 

青い鳥

お元気でいらっしゃいますか?
私のブログにご訪問頂き、nice!を有難うございました。
また素敵な記事を拝見できますようにと願っています。
by 青い鳥 (2012-12-14 17:33) 

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